2021年06月12日

報告「基地局問題は環境問題 迫りくる5G時代」の質問


携帯電話の基地局が、最近、まちのあちこちで、
建てられています。
コマーシャルでは、5Gをやたら宣伝している。
まだ、4Gが主流だが、近未来、5Gになる。
そうなる前に、環境問題という視点から、
行政がしておくことがあるのではないかと思い、
6月9日に質問したことをダイジェストで報告します。

まず、5Gとはなにかですが、
文字を並べてもわかりにくいので、
総務省の資料をすこし抜粋。

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移動通信システムは10年ごとに進化していて
4Gに続く国際電気通信連合 が定める規定を満足するシステムが、
第5世代移動通信システム、5Gです。

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4Gを発展させた「超高速」だけでなく、
「多数接続」、「超低遅延」といった新たな機能を持つようになります。
通信以外の幅広い産業分野での利⽤を目指します。

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5Gの基地局は、従来の数十倍程度の基地局が必要です。

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今後5年間で、全国の約98%のメッシュで基地局の展開が計画されています。

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従来の周波数帯に5Gも追加するイメージです。
周波数が極めて高い5Gの電波は到達距離が短く、100mおき(20〜150mおきとの見解も)にスモールセル・アンテナを設置する必要があります。
また、そのアンテナ自体は小型で、壁面やマンホール内に貼り付けたりする形で設置されます。

というわけで、木更津市の5Gは、
これからという段階ですが、
4Gの基地局は増えているので、
木更津市の現状を質問しました。

質問 電波法に関する市の所管課は
市  ない。
   電磁波を起因とする公害等の相談は、
   環境部が窓口、
   総務省の相談窓口(関東総合通信局)を案内する。


質問 市有地に設置された基地局は
市  占用許可は、1年毎に提出。
   令和3年度は、12箇所 


質問 令和2年度以降、現在までに何基増えたのか
市  令和2年度以降に、6基増えた

質問 市有地といってもいろいろあるが
市  市内中学校に1、
   図書館敷地内に1、
   いきいき館南側敷地内に1、
   市道に3、
   公園に5、
   普通財産(大久保の宅地)に1


質問 学校にも設置でびっくり。
   学校の敷地内に建造物をたてたいと
   いう依頼があったら、
   現状ではどのような対応か

市  事業者との事前協議を行い、
   設置場所に支障がない場合には
   地方自治法及び木更津市財務規則に基づき
  「行政財産使用許可申請書」により申請、
   その後に許可

-おー、環境問題の視点でのチェック体制はない-
 
質問 民有地に設置の基地局把握は
市  市は把握していないが、総務省のホームページには
   市有地と民有地を合わせて52ヶ所(5/27現在)


−実は、その52ヶ所がどこなのかは、総務省は公表していない-

質問 公園敷地内に基地局設置の場合、
   設置場所の決め方は

市  一般の公園利用者にとって不便とならないよう
   公園敷地内の外周部に設置することで許可


-公園の外側の環境は関係なし-

質問 N公園内に基地局が昨年度設置された。
そこから23mのところには、
すでに何年も前から基地局があった。
   つまり、何年も前の基地局に一番近い公園敷地内に
   新しく基地局が設置されたというわけ。
   この基地局の高さは

市  14.5m
  
質問 総務省のこの図、基地局が1つの場合だ。
2か所の基地局が近距離の場合の影響は

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市  個別の事例について
   総務省の見解を問い合わせてはいない。
   基地局の設置に際し、
   電波防護指針の基準値に照らし合わせ、
   安全を確認し、設置許可をしているものと考える。



質問 鎌倉市には、携帯電話等中継基地局の
   設置等に関する条例がある。

   この条例は携帯電話等の
   中継基地局の設置に伴なう市民と
   事業者との紛争の未然防止を目的として
   平成22年4月1日に施行された。
   条例では携帯電話等の事業者が
   市内で携帯電話等の中継基地局を
   設置しようとするときには、
   計画の概要を事前に、
   基地局の高さの2倍の範囲の近接住民に
   説明すること、
   また、近接住民が属する自治会などを
   代表する者に説明し、
   周知に努めることを規定している。
   環境アセスメント的な観点から、
   住民への事前説明をするよう、
   木更津市も条例化を検討してみては

市  「5Gから発する電波が
   人体に及ぼす作用については、
   従来の電波と変わりがない」
   というのが、総務省の見解。
   基地局を設置する事業者に対し、
   周辺への事前説明の義務を課す
   科学的根拠が存在しないことからも、
   条例等により、説明を義務化することは、
   考えていない。

   しかしながら、総務省の調査研究結果や
   WHOの見解などを注視するなど、
   目に見えない電波の影響については、
   引き続き情報収集していきたい。


持ち時間を使い切り、時間切れとなった質問でした。

残念ながら、5Gによる健康被害について、
今のところ明確な答えは出ていない。
5Gの安全性がはっきりせず、
導入に積極的な国と消極的な国がある。
実際に、電磁波を測定し続け、
現状把握を積み重ねている
NPO法人市民科学研究室の上田昌文さんは、
日本の場合は、
白か黒か灰色でどちらともいえない場合、白とみなす、
しかし、灰色なら慎重に黒と判断する国もある。と話していた。

鎌倉市のように条例をつくれば、
灰色を白か黒に判断する機会が市民にもある。
また、事業者も灰色が限りなく白と確信があるのなら、
市民に資料を提供し、堂々と説明をすればいいと考える。

posted by のんのん at 23:35| 環境